<今さら訊けないギャルゲー(エロゲー)の常識>
2004・5・7ここに来ている人の中で、まさか「ギャルゲー」という言葉を知らない人はいないと思います。が、「ギャルゲー」というものが本当にはどんなゲームなのか、プレイしている、もしくはプレイしなくても知識として知っている人はどれくらいおられるでしょうか?
実は、ギャルゲーを実際にプレイしない人というのは、案外ギャルゲーの本質を知らないままで「ギャルゲー」という言葉を使っています。せいぜい「美少女がたくさん出てくるゲーム」という程度の認識しかない。例として出てくるゲームもせいぜい「ときメモ」」(「ときめきメモリアル」)程度です。要するにゲームそのものは何も知らないのに、漠然としたイメージだけで「ギャルゲー」という言葉を使っているのです。こんなことではいけません(笑)。
そこでこのページでは、ギャルゲーを知らない方々のために「いったいギャルゲーとはどんなゲームなのか」徹底的に紹介させていただきます。ギャルゲーをプレイしない人にこそ、この記事を読んで勉強していただきたいと思います。
・基本常識:「ギャルゲー」と言えば、普通は「ビジュアルノベル」を指す。
まず、ギャルゲーマーが「ギャルゲー」という言葉を使う場合、ほとんど「(文章を読むタイプの)ビジュアルノベル」を指します。もちろん、ビジュアルノベル以外にも、RPGやアクション、シミュレーションにも「ギャルゲー」と呼ばれるゲームは存在します。しかし、ただ単に「ギャルゲー」という言葉だけを使う場合、それはもう確実にビジュアルノベルを指します。つまり、「ギャルゲー」と呼ばれるゲームは、今やそのほとんどが文章を読むタイプのノベルゲームなのです。
なんでこんなにギャルゲーのジャンルが偏ったのかは諸説ありますが、まず考えられる理由としては、「美少女に萌える」のに最もふさわしいゲームスタイルがノベルゲームだったということでしょう。ゲームに女の子だけが求められた結果、アクションやRPGに見られる「ゲーム性」はもはや面倒で邪魔なものにしかならないのです。そう考えると、かつてギャルゲーの先駆的存在だった「ときメモ」は、今やギャルゲーのスタンダードからは外れているといえます(*「ときメモ」はノベルではなく育成シミュレーションです)。つまり、ギャルゲーマーが「ギャルゲー」という言葉を使う場合、それが「ときメモ」のようなゲームを指すことはまず無い。逆に言えば、「ギャルゲー」と聞いてまず「ときメモ」の名前を例に出す人は、実はギャルゲーを知らない人である可能性が高いのです。この類の人はネットの大手掲示板でよく見られるので注意してください(笑)。
・常識その1:「ギャルゲー」には「学園もの」が圧倒的に多い。
さて、このように「ギャルゲー」と言えば通例ノベルゲームなのですが、その作品の内容が、学校を舞台にした「学園もの」であるケースが圧倒的に多い。もちろん、学園もの以外のギャルゲーもいくらでも存在しますが、比率から見れば明らかに学園ものが多い。ギャルゲーといえばまず「学園もの」といってもいいくらいです。なぜギャルゲーに学園ものが圧倒的に多いのか? これはギャルゲーマーの方々が、「学校生活」に居心地のよい世界を感じているからだと思われます。要するに、ゲームで描かれる「楽しい学校生活」にあこがれているプレイヤーがいかに多いかということです。
それと、やはり女子高生に萌える人が常に多いということも理由としては挙げられるでしょう。「学園もの」といってもそのほとんどが高校が舞台で、中学や大学が舞台のゲームは非常に少なくなります。
常識その2:「ギャルゲー」には「ファンタジー」が圧倒的に多い。
とにかくファンタジーが多いです。SFでもミステリーでもなく、ファンタジー。これが圧倒的に多い。
念のために言いますが、ここで言う「ファンタジー」とは、いわゆる「剣と魔法の、異世界を舞台にしたファンタジー」ではありません。ドラクエやFFのようなゲームを連想してはいけないのです。
つまり、基本的には(学園もののように)現代が舞台でありながら、そこに幻想的なファンタジーの要素が絡んでくる。そういった設定です。始まりはごく普通の日常でありながら、次第に幻想の要素が絡んできて日常が壊れていく。このような展開はギャルゲーの基本なのです。
ちなみに、日本を舞台にした学園ものが多い関係上、ファンタジーも和風のもの、いわゆる伝奇ものもかなり多い。これに転生とかの要素が絡んでくれば、もうギャルゲーとしては定番中の定番でしょう(笑)。しかし、なぜギャルゲーにファンタジーが多いのか? 実はこれも学園もの同様、プレイヤーがファンタジーな「非日常」にあこがれを抱いているためだと思われます。幻想的な雰囲気のCGと音楽、世界観に浸りたい。これはギャルゲーマーの基本的思考なのです。
さてこのように、ギャルゲーには「学園もの」で「ファンタジー」なゲームが非常に多く、もはやギャルゲーの基本パターンです。
「ギャルゲー≒学園もの+ファンタジー」 この公式はテストに出ます。
・常識その3:美少女キャラの不可解な設定。
世界設定自体がファンタジーなのだから、登場するキャラクターもファンタジーなのは否定できません。
ギャルゲーでは、当たり前のようにメイドさんとかが登場してきますが、果たして現代の日本にメイドが存在するのでしょうか? まず見たことがある人はいないでしょう。さらには、義妹とかいう存在も割と謎です。義理の妹というのも現実にいないとは言いませんが、かなりレアな存在ではないでしょうか?キャラクターの容姿とか性格とかも非常に不可解なものが多い。なんていうか、全体的に「普通」ではない。普通ではなく、現実的ではない・・・つまりキャラクター自体もファンタジーであるといえます。
したがって、ギャルゲーをプレイしていて、メイドや巫女が平然と登場しようが、病弱な義妹がいようが、天使が空から降ってこようが、後輩がロボットだろうが、ヒロインが生霊だろうが、なんら問題ないのであって、それこそがギャルゲーの基本と言っても過言ではないのであります。
・常識その4:主人公は「無個性」か「熱血」が基本。
ほとんどのギャルゲーは、主人公の一人称で物語が語られるノベルです(三人称のスタイルは極めて稀です)。そして、その主人公の性格設定は、ほとんどの場合無個性か熱血が基本です。なぜギャルゲーの主人公はこのような設定なのか? これは、ひとえにプレイヤーに対する感情移入を考慮した結果だと思われます。
つまり、ギャルゲーのストーリーは、一般の小説とは異なり、プレイヤーが主人公に感情移入して読む場合が多い。そのため、より主人公に感情移入しやすくするために、主人公の性格を無個性に設定し、「プレイヤー=主人公」というスタンスを明確にする必要があるのです。主人公が熱血だったり、クライマックスで熱い行動を取ることが多いのも同様の理由です。おそらくギャルゲー・エロゲーのプレイヤー層は、少年漫画やライトノベルを読む層と重なっており、その点で熱い主人公に感情移入を求める人は多い。まあ最近の若者はまず文学などは読まないし、「人間失格」や「罪と罰」等の人間の負の側面を描いた小説など読むはずもなし。まあそんな負の側面が強調されたへタレなダメ人間を出したところで、それが批判されることはあっても評価されることはまずない。主人公と一緒に燃えたいというのがギャルゲーマーの本音でしょう。
・常識その5:とりあえず萌える日常シーンからスタート。
さて、世界設定・キャラクターと来て、いよいよ肝心のストーリーに触れていきましょう。まずギャルゲー(エロゲー)のストーリーは、日常シーンの描写から始まるのが基本です。とりあえず女の子との楽しい(学園)生活、楽しい日常を描くことから始まり、それを延々と続けていくのが基本スタイルです。この時によく見られるのが、主人公と女の子たちとのコメディやギャグのシーンで、とにかくプレイヤーを笑わせ、かつ女の子に萌えさせることが目的です。ギャルゲーのシナリオライターは、まず楽しい日常シーンを書ける能力が必要とされます。
この延々と続く日常の描写は、ギャルゲーに慣れない人にとっては退屈そのものですが、しかしギャルゲーマーにとっては基本なのです。まずは楽しい日常シーンでいかに萌えるかというのがギャルゲーの基本なのです。
・常識その6:ストーリーに「燃え」の要素も入ることがある。
「萌え」だけではありません。最近のギャルゲー・エロゲーの世界では、意外にも「燃え」の要素が入ってくることがかなり多いのです。
先ほど主人公の話(常識その4)でも書きましたが、とにかくギャルゲーのプレイヤー層は「燃え」を求める傾向が強い。そして、そのようなニーズをうまくつかみ、ギャルゲー・エロゲーでありながら「燃え」で人気を得たゲーム が出てきました。まず、おそらくそのきっかけとなったのがニトロプラスのゲームだと思われます。「ファントムオブインフェルノ」「吸血殲記ヴェドゴニア」「鬼哭街」などの一連のゲームは、ギャルゲーマーに「燃え」の要素が受けるということを内外に示しました。
なにげにケロQというメーカーのゲームも燃えを意識しています。「二重影」「モエかん」等のゲームは、見た目とは裏腹に燃えを意識した構成になっています。しかし、なんといっても「燃え」といえばTYPE−MOONの「月姫」でしょう。この美少女バトル全開のオタク受けに特化した素晴らしい設定は、あらゆるオタク層を震撼させ、同メーカーの新作である「Fate/stay night」とともに、信じられないほどの大人気を獲得しています。
そして、燃えの元祖であるニトロプラスの最新作である「機神咆哮デモンベイン」もまた「月姫」「Fate」と並ぶ一大人気を獲得しています。このように、ギャルゲーにおいて「燃え」の要素を積極的に取り入れるのはもはや基本となっており、ひとつの流れともいえます。世界設定自体が燃えでなくとも、主人公やキャラクターの一部に燃えな行動をとらせるケースは多く、それが人気を獲得することも珍しくない(例:「Ever17」)。
ギャルゲーにおいて、もはや「燃え」は「萌え」と並ぶ基本なのです。
・常識その7:そして泣け!!
そして、なんといってもギャルゲーといえば「泣き」。とにかくプレイヤーは感動して泣くことを求めるのです。泣かせる方法は大抵決まっていて、とにかく女の子をひどい目にあわせるのが基本。女の子を死なせることも実に多い。死ぬ理由としては、「病気」や「事故」「戦乱」そして「運命」などいろいろあり、実に様々なシチュエーションで泣きを誘います。
なんていうか極めてありきたりな泣かせパターンですが、それに問題なくはまるのがギャルゲーマー。この時に重要となるのが、物語前半での楽しい日常シーンです。前半での日常シーンが楽しければ楽しいほど、後半の重い展開とのギャップが強調され、より強く泣きを誘えます。前半の日常シーンで女の子に萌えれば萌えるほど、後半の女の子の悲惨な運命に涙できる。「前半の日常で萌えさせて、後半の展開で思いっきり泣かせる」これはギャルゲーにおける基本中の基本パターンで、この構造を知らないことにはギャルゲー・エロゲーを理解することは不可能だと思われます。
このように、ギャルゲー・エロゲーの世界では、ある一定の常識(というか法則)にしたがって物語が構成されており、この辺りが一般の小説とは明らかに異なる点であります。このような法則を知ることで、「『ギャルゲー』とは一体どんなゲームなのか」おのずと理解できることでしょう。
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